2017年にAMDから「Ryzen」シリーズが発売されて以来、それまでまったく差のあった「Intel製」と「AMD製」のCPUの性能はあまりなくなってきています。
また、「Intel製」の半額に近い価格で「AMD製」は購入できることもあることから人気に拍車がかかっています。
更に、1コアあたりの処理速度はIntelのCPUの方が速かったのですが、次世代の第3世代のRyzen(現在第2世代)では「速度」「エネルギー効率」ともにAMDのCPUが上回ると見られています。
ここでは、CPUの選び方と、「Intel製」と「AMD製」のCPUには、具体的にどのようが違いがあるのか見ていきます!
CPUの選び方!5つのポイント
CPUを選ぶ際に見るべきポイントは、次の5つです!
- コア数
- スレッド数
- クロック周波数
- キャッシュ容量
- マザーボードとソケットやチップセットが会うか?
それぞれ少し詳しく見ていきましょう!
①CPUのコア数
パソコンは、コア数が多いほど処理能力がアップします。
②CPUのスレッド数
1つのコアを分割して使用することにより、同時並行で別の処理が可能になります。
コアの余力を効率よく使っているだけなので、コアを増やすのと比べると処理速度のアップは限定的です。
③CPUのクロック周波数
1秒間にコアがどれくらいの処理をできるのか示しています。
クロック周波数が高くなるほど処理能力は高くなります。
ただし、同じクロック周波数でも処理能力は基本構造(アーキテクチャー)によって異なるので、違う世代間やメーカー間での性能差は単純に比較できません。
また、クロック周波数関連で少し分かりづらいのは、Intel「ターボブースト」・AMD「ターボコア」といった表示です。
この表示は、休んでいるコアに上乗せして作業をさせることにより、処理速度をアップさせられることを示しています。
④CPUのキャッシュ容量
CPUに内蔵されている超高速メモリーのことを指します。
いわゆる「メインメモリー」よりもはるかに高速に読み書きが可能です。
すぐに取り出せるデーター量が多くなるので、繰り返しの多い作業では処理速度に大きく影響します。
「Intel製」よりも「AMD製」のCPUの方がキャッシュ容量は多いです。
⑤マザーボードとソケットやチップセットが会うか?
そもそもCPUは、マザーボードのCPU取付口「ソケット」と規格が一致していないと付けられません。
また、ソケットが一致していても「チップセット」というCPUとメモリーやUSB等の外部機器とのやりとりを制御するパーツとの規格が合わなくても作動しません。
CPUを選ぶ際に見るべき5つのポイントを見ていただいたところで、次は実際に「Intel製」と「AMD製」のCPUにはどのような違いがあるのかを見ていきます!
「Intel製」と「AMD製」のCPUの比較
Intel | AMD「Ryzen」 | |
CPU性能 | 1コアあたりの性能が高い | 1コアあたりの性能は高くないが、コア数を多くすることによりカバー。 ゲームなどのマルチタスクに向いています。 |
内蔵GPU | AMD製に及ばない | Ryzen7はGPU非搭載 Ryzen5、Ryzen3の内蔵GPUはIntel製より高性能 |
価格 | 高額 | 安いモデルはIntel製の約半額 |
次は、CPUの型番の見方とマザーボード(ソケット・チップセット)との組み合わせを「Intel製」「AMD製」それぞれまとめてみました。ます。
Intel製CPUの型番の見方と(ソケット・チップセット)の組み合わせ
※規格の内容
K | オーバークロック可能 |
---|---|
S・T | 省電力。(Sの方がより省電力) |
M・U・H | ノートパソコン用 |
X | ハイエンド |
R | グラフィックス内蔵ハイエンド |
CPUソケット規格 | チップセット | コア数/スレッド数 | 内蔵GPU | |
corei9 | LGA2066 | Intel X299 | 10~18コア/ 20~36スレッド |
非搭載 |
corei7 | LGA1151 | Intel Z390 Intel H370 Intel B360 Intel H310 |
6コア/ 12スレッド |
UHD630 |
corei5 | LGA1151 | Intel Z390 Intel H370 Intel B360 Intel H310 |
6コア/ 6スレッド |
UHD630 |
corei3 | LGA1151 | Intel Z390 Intel H370 Intel B360 Intel H310 |
4コア/ 4スレッド |
UHD630 |
Pentium | LGA1151 | Intel Z390 Intel H370 Intel B360 Intel H310 |
2コア/ 4スレッド |
UHD630 |
AMD製CPUの型番の見方と(ソケット・チップセット)の組み合わせ

※規格の内容
X | クロック数向上 |
---|---|
G | GPU内蔵 |
E・P | 省電力 |
CPUソケット規格 | チップセット | コア数/スレッド数 | 内蔵GPU | |
Ryzen Threadripper | TR4 | AMD X399 | 16コア/ 32スレッド |
非搭載 |
Ryzen7 | AM4 | AMD X370 AMD B350 AMD A320 |
8コア/ 16スレッド |
非搭載 |
Ryzen5 | AM4 | AMD X370 AMD B350 AMD A320 |
4~6コア/ 8~12スレッド |
Vega11 |
Ryzen3 | AM4 | AMD X370 AMD B350 AMD A320 |
4コア/ 4スレッド |
Vega8 |
A12 | AM4 | AMD X370 AMD B350 AMD A320 |
4コア/ 4スレッド |
Radon R7 |
A10 | AM4 | AMD X370 AMD B350 AMD A320 |
4コア/ 4スレッド |
Radon R7 |
ゲーミングPCの具体的なCPUの選び方!

ゲーミングPCのCPUを選ぶ時には、やりたいゲームを基準に選ぶのが基本です。
・・・というのも、ジャンルとかではなくゲームによって必要とされるスペックが全く違うからです。
一番CPU選びに参考になるのは、「ゲーム推奨モデル」に使われているCPUです!
この「ゲーム推奨モデル」とは、ゲーミングPC販売会社が実際に対象ゲームで動作検証し、快適に遊べることを保証しているゲーミングPCセットを意味します。
つまり、同じ構成でPCを自作すれば、スペック不足になる心配はありません。